「やる気はある。でも、どう書けば伝わるのか分からない…」
そんなふうに“意気込み欄”で手が止まっていませんか?
正直、あの欄、書けない人ほどまじめです。
そして、書けないのは“想いがない”からじゃなく、“想いが強すぎて”言葉にできないだけ。
この記事では、審査員の視点と、合格者の共通点をもとに、「伝わる意気込み文」の書き方を、例文つきで詳しく解説します。
書く前に知っておきたい!オーディションの「意気込み」の本当の意味

「意気込み」って、ただの“やる気アピール”だと思ってないですか?
でも実は、あの欄、書類選考や合否を左右する超・重要ポイントです。
なぜ「意気込み」が評価に影響するの?
意気込みでは、「この人と一緒に仕事ができそうか」が見られています。
審査員が知りたいのは、「今の実力」よりも、一緒に作品を作っていける人かどうかなんです。
よくあるテンプレートみたいな意気込みや、オーディションのためだけに作ったような意気込みは、審査員にはすぐに気づかれます。
選ぶ側も、何百人、何千人と見てきてるから、「本気かどうか」は、文章の雰囲気で伝わってしまうんです。
じゃあ、どんな意気込み文が評価されるのか?
それは下記の3つのポイントをおさえている文章です。
評価される意気込み文の3大要素
見られているポイント | 審査員がチェックしてること |
---|---|
熱意と覚悟 | 「本気でやりたい」「簡単に辞めない」と伝わるか |
将来のビジョン | 「この人はどこを目指しているのか」が明確か |
一緒に働けそうな人柄 | 誠実さ、礼儀、共感力、素直さが伝わるか |
要するに、「この人にチャンスをあげたい」「一緒に働いてみたい」と思わせられるか。
それが意気込み欄の本質的な役割です。
志望動機や自己PRとの違いはどこ?

意気込みって、「志望動機」や「自己PR」がごっちゃになりがちですけど、実は、それぞれ書くべきことはぜんぜん違います。
ざっくり整理するとこんな感じです。
項目 | 伝えること | ターゲットにしている時間軸 |
---|---|---|
志望動機 | なんでこの事務所(または企画)を選んだのか | 未来(夢や目標) |
自己PR | 自分の強み・経験・人柄 | 過去〜今(実績やスキル) |
意気込み | どう取り組んで、何を成し遂げたいのか | 未来+覚悟(行動意志) |
ポイントはここ。
意気込みだけは、「これからの行動」にフォーカスされていること。
志望動機は“動機”、自己PRは“経歴”の話。
でも意気込みは、「自分はこう動くつもりです」と“未来の行動”を見せる項目なんです。
だからこそ、ふわっとした熱意じゃダメなんです。
「これやります」「こういう姿勢でいきます」と、積極的な行動で示す。
「めちゃくちゃやる気ありそうだな」
それが伝わるかどうかで、審査員の印象は全然変わります。
書けないのは「やる気がない」からじゃない

意気込みが書けない。何度も書いては手が止まる。
実はこれ、めちゃくちゃ多い悩みです。
でも、それって、やる気がないからじゃありません。
「正しい答え」を求めすぎてるからです。
厄介なことに、自分でも“正解”なんてわかってないのに、「正しい答え」を求めてしまう。
「これじゃ浅いかも」
「伝わらないかも」
って、書くたびに自分でダメ出しして消す。
書けないんじゃなくて、“選べなくなる”んです。
ここで一度、自分に聞いてみてください。
「私が審査員なら、どんな人を応援したくなるか?」と。
上手い文章を書く人ですか?
きっと違いますよね。
- 技術的にはまだまだでも、「俳優になりたいという熱い気持ち」が伝わってくる人
- 表現はつたなくても、「映画が好きだという熱い想い」が伝わってくる人
(ドラマでも舞台でも同じです) - うまく書こうとせずに、何をどうしていきたいのかをストレートにぶつけてくる人
こういう人、応援したくなりませんか?
意気込みは「熱意」が伝わることが何より大事です。
うまい文章じゃなくていい。
むしろ、“上手くまとめようとしてるだけの文章”ほど、薄っぺらく見えることがある。
だから──
「俳優になりたいと思ったきっかけ」
「どんな俳優になりたいか」
「そのために、これからどう動きたいか」
こういうことを、自分の言葉で書けばいい。
その「熱量」が伝わった人だけが、チャンスをつかむ。
意気込みって、そういうことです。
伝わるオーディションの意気込みの書き方【例文付き】

「どう書けばいいのか分からない」を乗り越えるには、具体例と構成のコツを知るのが一番早いです。
ここでは未経験者でも伝わる例文と、ジャンル別の言い回し、そして“自分の言葉で書く”ための構成術まで、徹底的に分解します。
未経験者にも響く!自然な意気込み文の例
最初から完璧じゃなくていい。
未経験でも「覚悟」や「姿勢」が伝われば、チャンスはつかめます。
だからこそ、背伸びせずに書いた“素直な言葉”が、いちばん響くんです。
例文:
幼い頃から人前で話すことが苦手だった私が、学校の演劇発表で初めて「誰かの心を動かす喜び」を知りました。あの瞬間が忘れられなくて、もっと表現を学びたいと思い、このオーディションに応募しました。まだ経験は少ないですが、自分と向き合いながら、ひとつひとつ積み上げていきたいです。どんな役でも、作品を大切にできる表現者を目指して努力します。
この文章が評価される理由:
- 経験ゼロを正直に書いているのに、なぜか好印象
- 「何に感動し」「なぜ応募したのか」が、つながっていて嘘がない
- 将来に向けて“どう動いていくか”が明確に書かれている
- 上手く見せようとしていない分、“熱量”がそのまま伝わる
意気込み文でいちばん大事なのは、「うまさ」じゃなく「熱さ」です。
表現がつたなくても、「熱い想い」が伝わる一文のほうが、圧倒的に強い。

ジャンル別で変わる!意気込みの伝え方
ジャンルごとに、見られる“ポイント”はぜんぜん違います。
だから意気込みも、同じテンプレじゃ通じない。
どこをアピールすれば響くのか──ここ、めちゃくちゃ大事です。
各ジャンルで「通りやすい書き方」はこれ!
ジャンル | 書き方のポイント | NGになりやすい書き方 |
---|---|---|
アイドル | 明るさ、前向きさ、仲間思い、ファンへの愛を具体的に | 「憧れて応募しました」「合格したら頑張ります」 |
モデル | 自分が届けたい“世界観”と覚悟、表現力のビジョン | 「かわいいって言われるから」「目立ちたいから」では弱い(“見られる覚悟”を見せよう) |
俳優/声優 | 影響を受けた作品や演技への想い+表現者としての目標 | 「学びたいです」「まずは経験を…」はNG(すでに“プロの現場”だから) |
ダンサー | 表現の幅、身体を使って伝えたいこと、継続力の証明 | 「踊るのが好きです!」だけでは弱い |
大事なのは、「私はこういう人です」じゃなくて、「私はこのジャンルでこうなりたいです」って言い切ること。
それがあるだけで、文章が“意気込み”になる。
自分の言葉で書くための3ステップ

意気込み文は「作文」ではなく、自分の気持ちを言葉にする作業です。
つまり、“モヤモヤした想い”を整理して、相手にちゃんと伝わる形に整えるだけ。
難しく考える必要はありません。
この3ステップを試せば、自分の気持ちが自然に言葉になっていきます。
ステップ①:「なぜ?」を5回くり返してみる

これは、気持ちの奥にある“本音”を見つけるためのシンプルな方法です。
コツは、「なぜ?」を5回くり返すだけ。
たとえばこんな感じです:
- なぜアイドルになりたいの?
→ 人を笑顔にしたい - なぜ笑顔にしたい?
→ 誰かの元気のきっかけになれたら嬉しい - なぜ元気を届けたい?
→ 昔、自分がアイドルに救われたから - なぜその体験が大きかった?
→ 辛かった時期に、その存在が支えになった - だからどうしたい?
→ 今度は自分が“誰かの支え”になりたい
ここまで出せたら、あなたにしか書けない動機が見えてきます。
ステップ②:「気持ち」と「行動」をセットで書く

よくあるNGが「やる気があります!」だけで終わってしまうパターン。
これでは伝わりません。
大事なのは、やる気→行動→気づきの順で書くこと。
たとえば:
ダンスが得意 → 毎日鏡の前で30分自主練 → 努力が習慣になった
これを文章にすると、こうなります。
高校ではダンス部に入り、毎日30分以上、自主練を続けていました。
最初は振り付けを覚えるだけで精一杯でしたが、続けるうちに「努力は自分の武器になる」と感じるようになりました。
行動の中に気持ちがある。
だからこそ、説得力が生まれるんです。
ステップ③:「誰に」「何を届けたいか」を明確にする

最後のステップは、“あなたが目指す未来”をはっきりさせること。
夢を語るだけじゃ、少し弱い。
一歩踏み込んで、「誰に、何を届けたいか」を言葉にしてみてください。
たとえば:
- 自分の表現を通して、誰かの悩みに寄り添えるようになりたい
- 観てくれた人が、少しでも前向きな気持ちになってくれたら嬉しい
- 毎日を頑張る人たちの“ちょっとした支え”になりたい
ここまで書けたら、文章が一気にプロっぽくなります。
「この子と一緒に仕事してみたい」と思ってもらえる確率も上がります。
書類通過率を下げるNG例文とその共通点

一見やる気がありそうなのに、落ちやすい文章には共通点があります。
このパターンにハマると、どれだけ熱意があっても伝わりません。
よくあるNG例
「やる気だけは誰にも負けません。憧れの〇〇さんみたいになりたくて、応募しました。未経験ですが、頑張ります!」
いかにも“意気込みっぽい”んですが、これ、全部ふわっとしている。
- やる気はあるけど、何をやってるかが書かれていない
- 憧れの人は出てくるけど、自分がどうなりたいかは見えてこない
- 「頑張ります」で締めてるけど、今は何をしてるの?ってなる
つまり、どこがマズいのか?
よくあるNGには、こんな共通点があります:
- 「がんばります」で終わる → 行動が見えない
- 「憧れてます」で止まる → きっかけは見えるけど、動機が浅い
- 「入ったら努力します」 → 今の努力がわからない
審査する側が見てるのは、「この人、夢のために今どれだけ動いてるか?」です。
つまり──
「もうすでに、動き始めてる人かどうか」。
未来の話じゃないんです。
“今”、何をしてるか。
ここを見られてます。
応募前に見直したいチェックポイント

意気込み文が書けたら、最後にこのリストで“伝わるかどうか”を確認してください。
細かいところですが、これだけで通過率が大きく変わります。
✅ チェックリスト(保存推奨)
- 主語が「自分」になっているか?(←他人のせいにしていないか)
- なぜ応募したのか、理由が伝わっているか?
- 自分の強みや行動が、具体的に書かれているか?
- 「頑張ります!」だけで終わっていないか?
- 未来のビジョンや覚悟は含まれているか?
- 応募先について、ちゃんと理解して書いているか?
- 前向きで、素直な印象を残せているか?
- 誰かの真似じゃなく、自分の言葉になっているか?
まとめ:オーディションの意気込みは、“想い”を伝えるチャンス

意気込み文の枠は「うまく書く場所」じゃありません。
あなたの中にある“まだ言葉になっていない気持ち”を、ようやく外に出す場所なんです。
オーディションの意気込みはこう書く!迷ったら“気持ち”を正直に出してみよう
どう書いても迷うときは、「カッコつけずに、正直に書く」のが一番です。
あれこれ考えて手が止まるくらいなら、少し拙くても“今の自分”を素直に出すほうが伝わります。
覚えておいてほしいのは:
- うまく書く=受かるじゃない
- 伝わること=共感されること
- 想いがある人は、それだけで強い
審査員も人間です。
プロとして冷静に見ますが、「この子、なんか応援したいな」と思わせた瞬間、チャンスはグッと近づきます。
“自分の熱意がちゃんと届いた”と思えたら、それはきっと、未来を変えてくれます。