フリーで俳優や声優として活動したい人は増えていると思います。
テレビやアニメで活躍するスターを見て「自分もやってみたい」と思うのは自然なことです。
でもフリーで活動するには、自分から動かなければ仕事はつかめません。
ここでは、誰もが知っておきたいフリーで活動するための基本と、裏話やちょっとしたテクニックを紹介します。
フリーの俳優・声優として活動するための基本

フリーランスで活動するメリットとデメリット
フリーランスの最大のメリットは、自由度の高さです。
事務所のルールにしばられず、自分でスケジュールを決められます。
オーディションを受ける案件も、基本的には自分の好きなものを選べるため、チャレンジの幅が広がります。
でもデメリットもあります。
まずは経済面。
仕事がないとすぐに収入がゼロになるリスクがあるので、安定感に欠けます。
また、自分自身で営業や事務作業も行う必要があるため、演技の練習以外に時間や労力がかかりがちです。
自分の経験から言って、最初からフリーで活動するのはかなり大変であると思います。
事務所に所属せずに活動する方法
事務所に所属していないフリーの人は、オーディション情報をつかむためのアンテナを常に張る必要があります。
具体的には、芸能系のオーディションサイトや、SNSのキャスティング情報をチェックするなどが基本です。
フリーで活動していた知人は、テレビドラマのキャスティングオーディションの情報なども、定期的に自分で局に行ってチェックし情報を仕入れてました。
これだけでもなかなか大変です。
声優の場合は、作品の募集情報を掲載している同人やインディーズ系のサイトも定期的に確認するとチャンスが広がります。
さらに、業界の知り合いから直接オーディション情報を得られるケースも少なくありません。
スタッフやキャスティング担当者とのつながりができると、声をかけてもらえる可能性が高くなります。
そういった人との縁が、思わぬチャンスにつながることもあるので、普段のコミュニケーションは大切です。
収入の仕組みと安定させるための考え方
俳優や声優としての出演料やギャラは、作品の規模や予算によって大きく変わります。
映画やドラマで脇役以上を取れればそれなりの金額になりますが、小規模な舞台公演や自主制作のアニメだと低予算かもしれません。
でも大切なのは、単価の高い仕事ばかりを狙うのではなく、複数の仕事を安定して取り続けることです。
例えば週末だけ舞台に立ちながら、平日はナレーションの仕事をするなど、複数の仕事を組み合わせると、生活が安定しやすくなります。
自分自身も、俳優活動する傍で声の学校に通い、ナレーションやMC、パーソナリティーなど声の仕事ができるようになって初めて、アルバイト生活から抜け出せたという実体験があります。
仕事を得るための具体的な戦略

オーディションに受かるためのポイント
オーディションで大事なのは、演技力だけではありません。
そもそも、オーディションは求めている役柄のイメージが決まっている場合がほとんどです。
つまり、「役に合う人を探す場」です。
という事は、どれだけ演技が上手くても、求められているイメージとズレていたら受かるのは難しいんです。
だから、まずは「どんな役のオーディションなのか?」をしっかり理解することが大切。
台本があるなら、セリフの意味や役柄の雰囲気をよく読み込んで、イメージに合った演じ方を考えましょう。
いきなり派手なアレンジをするより、まずは台本どおりにしっかり演じることがポイントです。
また、演技だけでなく、第一印象も意外と大事。
挨拶をハキハキする、笑顔を忘れない、礼儀正しくする。
これだけで審査員の印象はぐっと良くなります。
緊張しても、ここだけはしっかり意識しておきましょう。
自分を売り込むためのプロフィールとポートフォリオ作成
フリーの場合、プロフィールやポートフォリオを自分で作る必要があります。
プロフィール写真はプロのカメラマンにお願いするほうが安心です。
表情が硬いときは、軽く体を動かして緊張をほぐした状態で撮影すると自然な笑顔になりやすいです。
声優なら、ボイスサンプルを録音しておくと効果的です。
録音はスマホでもいいですが、音質にこだわるならレコーディングスタジオを使うのがおすすめです。
本気で仕事が取りたいなら、「レコーディングスタジオで撮る」の1択です。
サンプルは複数の声質や演技を聞かせられるようにバリエーションを用意すると良いアピールになります。
SNSやYouTubeを活用して仕事につなげる方法
SNSやYouTubeは、誰でも無料で自分を発信できる強力なツールです。
作品の告知や自分の演技動画、声真似チャレンジなどを投稿すると、多くの人の目に留まります。
実際、「ショートドラマ」や「ショートフィルム」「朗読」などとYouTubeで検索すれば、自己発信しているたくさんの作品が出てきます。
特に若いディレクターやプロデューサーはSNSをチェックしていることが多いので、思わぬところから声がかかることもあります。
でも注意点としては、SNSでの発言や態度がそのままイメージにつながることです。
言動にトラブルがあると、「仕事を任せたくない」と思われることもあるので、発信には気をつけましょう。
クライアントや制作会社とつながる方法
フリーの俳優や声優が仕事を取るうえで大切なのは、制作会社やクライアントと直接つながることです。
イベントや上映会、舞台あいさつなどに顔を出して、名刺交換や軽い挨拶から関係を築くことが多いです。
フリーで活動していた知人は、映画監督などが開催するワークショップは、片っ端から参加していましたね。
このとき「自分ばかり話す」のは逆効果です。
相手の話を聞きつつ、自分のアピールをさりげなく挟むのがコツです。
「何か仕事があったらよろしくお願いします」と伝えるだけでも、覚えてもらいやすくなります。
継続的に仕事を得るための人脈の作り方
演技の仕事は人づてで回ってくることが少なくありません。
チームワークを大切にして、共演者やスタッフに好印象を持ってもらえれば、「次も一緒にやりたい」と思ってもらえる可能性が高くなります。
撮影現場やアフレコ現場では、とにかく感謝の気持ちを忘れないことが大事です。
スタッフや共演者に対して気配りをすると、自然とリピート指名や紹介につながります。
「あの人は頑張るし感じがいい」という評判は、フリーにとって大きな武器になります。
実力を高めるためのスキルアップ法

演技力を向上させるためのトレーニング
演技力を上げるには、日々のトレーニングが不可欠です。
ストレッチや発声練習は基礎の基礎なので、5分だけでもいいので毎日行いましょう。
セリフを自然に言えるようにするために、家でも独り言のように台本を読んでみるのもおすすめです。
また、舞台経験は表現力全体を底上げしてくれます。
練習の成果をすぐに試せるし、観客の反応をダイレクトに感じられるので、演技の幅を広げるチャンスになります。
ボイストレーニングで表現力を磨く
声優だけではなく俳優でも、声の出し方で印象が変わります。
ボイストレーニングを受けると、声の通り方や安定感が格段に良くなります。
自分に合った発声の仕方を知れば、マイク前でも舞台でも役に合わせた声を出せるようになります。
個人レッスンを受けるとお金はかかりますが、その分、プロの指導を個別に受けられるメリットがあります。
グループレッスンよりも個人のほうが、自分の課題を早く知りやすいかもしれません。
即興演技やアドリブ力を鍛える
実際の現場では、シナリオにないアドリブを要求されることがあります。
アドリブではなくとも、急な変更などはよくある話です。
そんなときに対応力があるかどうかで、ディレクターや監督の評価が変わります。
フリーの場合はとくに、即興力がある人が「どんな現場でも使える人材」と思われやすいです。
日常会話やちょっとした会話劇の練習でも、即興で相手の言葉に反応する訓練はできるので、友人同士でゲーム感覚でやってみるのも面白いです。
オンライン講座やワークショップの活用
最近はオンラインで演技指導やボイトレを受けられる講座も増えています。
移動が少なく、時間を有効活用できるのがメリットです。
海外の演劇メソッドを学べるワークショップに参加すれば、日本とは違った視点が得られることもあります。
費用はピンキリなので、口コミや受講者の感想などを調べてから申し込むと良いです。
トライアルレッスンを用意している場合は、まずは短期で試してみるのがおすすめです。
フリーランスとして生き残るためのマネジメント術

収入を安定させるための仕事の管理法
フリーランスは「仕事の波」が大きいことが多いです。
忙しいときは一気に案件が重なり、暇なときはまったく仕事がないなんてこともあります。
だからこそ、スケジュール管理とお金の管理はセットで考えると良いです。
例えば、今月忙しかったら来月の半ばには確定申告や税金用に貯金しておくとか、仕事用と生活用の口座を分けて管理するなど、小さな工夫が後で効いてきます。
税金や確定申告の基本知識
フリーランスで働くと、確定申告が必須になります。
領収書やレシートは日頃からしっかりと整理し、経費をきちんと把握しておくことが大事です。
何が経費にできるかを早めに調べておくと、節税に役立ちます。
会計ソフトを使うと、手作業よりもミスが減ります。
初めて確定申告をするときは戸惑う人も多いですが、税理士や詳しい友人に相談できるなら、最初だけでも教わると安心です。
体調管理とメンタルケアの重要性
フリーで活動すると、体調やメンタル面の管理もすべて自己責任です。
喉を傷めて声が出なくなれば、声優の仕事はすぐにキャンセルになるリスクがあります。
睡眠や食事にはこだわって、疲れをためすぎないようにしましょう。
メンタル面も大切です。
思うように仕事が取れないときに、やる気が一気になくなってしまうこともあります。
でもそんなときこそ「今は準備期間」ととらえて練習や勉強に集中すると、次のチャンスをつかみやすくなります。
自分のブランディングと差別化のコツ
フリーの俳優や声優は、自分で自分をブランディングする必要があります。
たとえば「少年役が得意」「ナレーションの落ち着いた声が好評」「殺陣ができる俳優」など、自分の強みをはっきりさせると、仕事を頼む側もイメージしやすいです。
SNSのプロフィール欄や名刺、ポートフォリオにも「あなたらしさ」を出しておくと差別化になります。
いつも同じアピールポイントで飽きられそうなら、季節や流行に合わせて少しずつ内容を変えてみるのも手です。
【まとめ】フリーの俳優・声優として成功するために大切なこと

フリーで活動する俳優や声優は、どこにも所属していないぶん、仕事を取る自由もあれば責任もあります。
オーディションに挑戦し続けるだけでなく、プロフィールやボイスサンプルをきちんと整えたり、人脈を大切にしたりするのが成功への近道です。
SNSやオンラインの活用も含めて、自分の活動を常にアップデートし続ける姿勢が大切になります。
最後に、フリーの鍵となるのは「自分で自分をマネージメントする力」です。
体調管理やメンタルケア、税金などの事務作業をしっかりとこなしながら、演技力やスキルを高める努力も怠らないこと。
そうすることで、少しずつ大きなチャンスに近づくことができると思います。
あなたの夢が形になるよう、応援しています。