あなたは映画やアニメ、ドラマ、舞台などを見て「あの役者さん、めちゃくちゃ演技派だよね!」とか「この声優さん、ほんと演技派だなあ…」みたいな感想を言ったことはありませんか?
でも「演技派」って言葉、そもそもどういう意味かハッキリ説明できるでしょうか。
なんとなく「上手い演技をする人」ってイメージはあるかもしれません。
でも実は「演技派」にはちょっと複雑なニュアンスがあるんです。
俳優・声優を目指すなら、そうしたニュアンスを知っておくのは超大事。
なぜなら、自分の目標をクリアにイメージして、実際にそれをどうやって身につけるか考えるためのヒントになるからです。
「演技派」と呼ばれる人の中には、舞台の細かい芝居からアニメの声当てまで、信じられないスピードとクオリティでキャラクターの感情を表現できるスゴい人が多数います。
でも「演技派=凄い」みたいに一言で片付けると、実は本質が見えなくなってしまう場合があります。
この記事では、そんな「演技派」の意味や、本当に素晴らしい演技力を身につけるための具体的な方法をお伝えします。
演技派とは?本当の意味と実力派との違い

「演技派」とはどういう意味?
まず「演技派」って何でしょうか。
「演技派」とは「その人の存在感だけでなく、キャラクターそのものをまるで実在するかのように作り上げられる人」といった感じです。
たとえば「好きなキャラと同じ声に聞こえるけど、また別のキャラを演じると全然違う声質で、それでも違和感ない!」みたいな声優さんっていますよね。
そういう人は演技力が高くて幅が広いです。
俳優でも「あれ、この人、同一人物なのに役ごとに全然違う雰囲気を出してる!?」と驚かせる方がいます。
そういう姿を見て人は「演技派だなあ」と感じるわけです。
いろんな作品を見比べる機会が多いので、「演技の幅」や「キャラの立ち方」にめちゃくちゃ敏感になります。
すると、普段使う「演技派」の意味は、「どの役をやっても“あの人”じゃなく、キャラクターとして自然に見える・聞こえる人」と考えやすいんです。
「演技派」と「実力派」はどう違う?
ところで「実力派」って言葉もありますよね。
ここで「演技派」と「実力派」の違いについてもう少し深堀りしてみると、よくこんなふうに言われることがあります。
- 演技派
存在感や個性が強調されるというより「役に入り込み、キャラクターとして違和感なく見える・聞こえる」タイプ - 実力派
演技力だけではなく、作品を成功させる総合力やキャリアの積み重ね、セリフの安定感、表現の幅など、全体的にレベルが高い人
ただ、使い方によってはかなり曖昧で、「演技派だけど実力派」と言っても誰も違和感を持たなかったりします。
でも、たとえば「この人は“実力派”って言われてるけど、いつも同じような役しかしてないし、そこが個性でもある」みたいなケースもありますよね。
逆に「演技派」って言われる人は「いろんな役をやっても別人みたいにキャラを演じ分ける」という印象が強いです。
演技派と言われることは失礼なのか?
「演技派ですね」って言われると、ときどき俳優さんや声優さんが微妙な顔をするケースがあります。
なぜかというと、「まるで素の本人よりも演技そのものが注目されるから」とか「主役級というより変わり種の役者さんとみられてるから」なんて理由があるようです。
要は「演技派」というラベルが「普通のタレントやアイドルと違って、ちょっと地味だけど上手い人」というイメージにつながっている場合があるからです。
でも本人の意識次第では、役に入り込むタイプと評価されるのはむしろ光栄なことなので、そこまで失礼でもないと感じる方もいます。
個人的には、「演技がすごい」と褒められることは誇るべきことだと思っています。
キャラクターをどこまで深く生きられるかは、表現者にとって最高にワクワクするポイントですよね。
それこそ「この人のやるキャラにハズレなし!」と言われる瞬間こそ、真の“演技派”だと感じます。
演技派な人の特徴とは?優れた俳優・声優の共通点

表現の幅が広く、役によって印象が変わる
演技派の人は、とにかくキャラごとに表情も声も動きもガラリと違います。
例えば舞台挨拶やインタビューで「え、この人そんなに大人しい人だったの!?」と驚くぐらい、役との落差が激しかったりします。
オタク目線で細かく見ると「あのキャラはちょっと高音寄りで、声のトーンも軽やかだけど、別のキャラは低めで落ち着いた口調」とか、細かい差がたくさんあるんです。
演技派と言われる人は、そういう差を意図的に作り出していて、キャラクターの個性や雰囲気を見事に体現しています。
感情表現がリアルで観客を引き込む
演技派と呼ばれる人の芝居って、見ているうちにどんどん引き込まれます。
悲しいシーンはこっちまで胸が痛くなるし、怒っている場面では思わず一緒にカッとなるし、楽しそうなシーンは自分まで嬉しくなってしまう。
そういう感情の連鎖反応を起こせるのが、演技派の強みです。
「役の感情に心が揺さぶられて、気づいたら全話イッキ見しちゃった…」なんて経験も、リアルな感情表現があってこそ。
キャラクターの感情を自分の中にしっかり宿してアウトプットするからこそ、観客がその世界に入り込んでしまうんです。
役に対する深い理解と細かい演技ができる
漫画やアニメが好きだと、キャラのプロフィールとか設定をめちゃくちゃ読み込んで「実はこのセリフを言ったときの気持ちはこうなんじゃないか」みたいな妄想をめっちゃしますよね?
演技派な人は、まさにそれを実際の演技に落とし込むのが上手なんです。
たとえばキャラクターの育った環境を想像して、その子が怒るときのクセや笑い方のクセを考えたり、話し方のリズムを変えたりする。
そういった細かい演技の差が積み重なって、役の「本物っぽさ」が出てきます。
観客や視聴者は、その微妙な違いが見えた時、「あ、これは昔のトラウマを思い出してる表情かもしれない!」なんて興奮します。
まさに深い理解からくる細かい表現が生きているわけです。
声や身体を自在に操り、キャラクターを生きる
声優なら声の出し方や息遣い、俳優なら身体の動きや姿勢から匂い立つ空気感まで、演技派と呼ばれる人たちはテクニックがしっかりしています。
「あの人はセリフの間や強弱のつけ方が絶妙だし、身体のちょっとした動きもキャラクターそのものだ!」と思える場合、もう「そこまでやるか!」ってくらいリアルにキャラを生きているんですね。
アニメやゲームでよくある「ちょっとした仕草」に魂がこもると、ファンとしてはもう感涙もの。
個人的には、小さな仕草を見逃さないオタク目線こそ、演技派の真髄を味わえる最高の状態だと思います。
演技派俳優・声優になるための鍛え方

感情をコントロールするトレーニング
まず大事なのは、感情を自由に引き出せるようになることです。
演技をする上で「怒りたい」「泣きたい」「笑いたい」と思っても、すぐにその感情を作れるとは限りません。
でも演技派と呼ばれる人は、そうした感情のスイッチを自分の中にいくつも持っているんです。
たとえば下記のような練習法があります。
- 感情日記を書く
毎日あった出来事を感情の動きとセットで書き出す。
「今日は学校でこんなことがあって、嬉しかった」「あの友達があんなこと言うから、イラッとしたけど実は寂しさもあった」など具体的に書く - イメージトレーニング
悲しいシーン、楽しいシーンを想像して、身体や表情まで変化させてみる。
「泣く演技」のつもりで、本当に涙が出るまで感情を揺さぶる
このように感情を自由に操る練習を重ねると、いざ本番でも役の感情をリアルに表現できるようになります。
発声・滑舌・呼吸を鍛える練習法
演技派を目指すなら声の出し方は超重要です。
声優でも俳優でも、セリフを届けるのは声と呼吸、そして口の動きです。
そこで大切なのが発声・滑舌・呼吸のトレーニング。
いくら感情が入っていても、聞き取りづらかったり声が細かったりすると伝わりにくいです。
- 腹式呼吸の徹底
お腹を使って息を吸い、しっかり声を出す。
肩で呼吸しないよう注意 - 早口言葉で滑舌チェック
「生麦生米生卵」「坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた」など定番の早口言葉を使い、クリアに発音できるか練習 - 音読練習
お気に入りの小説や漫画のセリフを音読する。
感情も込めてみるとさらに効果的
好きな作品のセリフを何度も口に出してみるのは最高に楽しいです。
しかもそれが滑舌練習や発声練習になるなんて一石二鳥ですよね。
役作りのための観察力・想像力を高める方法
演技派の人は、キャラクターの細部までリアルに表現できる観察眼を持っています。
実際の人間観察も大切ですし、作品や資料を徹底的に読み込むのもいいです。
たとえば、アニメオタクの人は、好きなアニメキャラの身振り手振りや口癖まで細かく語れますが、それと同じ感覚を実写の人物相手にもやってみると効果的。
- 街中や学校でいろんな人を観察
歩き方や話し方のクセ、目線の動かし方などをメモする - ドラマやアニメを見てキャラ研究
「どうしてこのキャラはこのタイミングでこういう表情をしたのか?」と考える - 妄想力強化
キャラの背景を想像しながらセリフを言う。
「このキャラは実は過去にこういう苦労があって…」など自分で設定をプラスしてみる
こうした想像力を膨らませる習慣を身につけると、役作りの幅が広がります。
誰もが思いつかない演技アイデアが出るかもしれません。
実践経験を積む!舞台・映像・アテレコで学ぶ
机上の理論だけでなく、実際に舞台や映像、アテレコなどで経験を積むことが何よりの近道です。
練習ではうまくいったことが、本番で観客を前にすると全然出せない…なんてこと、よくあります。
でもそこで挫けず何度も挑戦することで、本番に強い演技力が身につくんです。
- 演劇部や地域の劇団に参加
学校の部活や地元の劇団、公民館の演劇サークルなど、まずは観客の前で演じる経験を増やす - ワークショップやレッスン
プロの指導を受けられるワークショップやレッスンに参加し、実践的なアドバイスをもらう - 自主制作やオンライン発表
ネットを通じて自主制作動画やアテレコに挑戦し、YouTubeやSNSに上げてみると実践感覚が得られる
好きな作品を自分で演じてみて「ここはもうちょっと感情を強調しよう」「ここはあえて抑え気味にしよう」と試行錯誤するのってすごく楽しいです。
そうして実践を繰り返すうちに、表現の幅や役へのアプローチが自然と身についてきます。
【まとめ】演技派とは?本物の演技力を磨くために大切なこと

ここまで「演技派」って何だろう?という疑問から、具体的な鍛え方までいろいろ語ってきました。
大切なのは「キャラクターを生きる」という気持ちと、「それを支えるテクニック」の両方を追求することです。
以下にポイントをまとめます。
- 「演技派」とは
「単に演技が上手い」だけでなく、幅広い役を自然に演じ分けられる、キャラの本質に入り込める人 - 感情コントロールの練習
日々の感情を活用して、リアルに泣く・怒る・笑う経験を増やす - 発声や滑舌の基礎
腹式呼吸や音読、早口言葉を取り入れて、しっかり声を届ける準備をする - 観察力と妄想力
街や映像作品で見かける人やキャラをとことん研究し、動きや話し方のクセを吸収する - 実践経験
舞台や録音、映像などで実際に演じてみることで、力がどんどん引き出される
俳優や声優の仕事は、何よりも「演じることを楽しむ」気持ちが大事だと思います。
オタクの場合、好きな作品への愛がものすごく強いので、その情熱が演技の原動力にもなります。
あなたもぜひ、自分が関わる作品のオタクになってください。
さらに練習を重ねることで、「ああ、自分ってこんな感情まで出せるんだ…!」という新しい発見があるかもしれません。
ぜひ自分の中に眠るオタク魂を存分に発揮して、幅広い表現力を追求してみてください。
そうすることで、いずれ誰かから「あの人、本当に演技派だね!」と言ってもらえる日が来るはずです。
演じることの楽しさと深さをたっぷり味わいながら、みなさんの演技ライフが充実していくことを願っています。
ぜひ頑張ってください!