自宅でできる声優の練習方法を知りたいと思いませんか?
「声優になるには、やっぱり専門の学校に通わないと難しいんじゃない?」と思っている方も多いかもしれません。
確かに、養成所など専門的なスクールに通った方が、圧倒的に早くスキルが身に付くことは間違いありません。
でも、声優としてのスキルは、日々のちょっとした工夫やトレーニングからでも身につけることができます。
この記事では、プロ声優として仕事をしながら講師も務める筆者が、家でできる練習法を5つ厳選してご紹介します。
すぐに始められるものばかりですので、ぜひ今日から挑戦してみてください。
声優になるために家でできることとは?

声優の仕事とは?まずは基本を知ろう
声優の仕事は、アニメやゲーム、吹き替えなどでキャラクターの声を担当するだけではありません。
ナレーションやCM、企業のPR動画、オーディオブックなど、声を使う場面は幅広く存在します。
そのため、声優としては以下のような能力が求められることが多いです。
- 表現力
脚本やシナリオの意図をくみ取り、キャラクターの感情や状況を的確に表現する力 - 基礎的な発声・滑舌
相手に聴き取りやすい声を出せるかどうか - 演技力
物語性のある作品に参加するなら、演技の基礎も必須
声優を目指すなら、まずは「どういう仕事をしているのか」「どんな能力が必要とされるのか」を知ることから始めましょう。
声優になるには何が必要?必要なスキルと資質
声優に必要なスキルには大きく分けて3つあります。
- 発声・滑舌の基礎
きれいに明瞭な声を出す力 - 演技力・表現力
セリフを自分なりに演じて感情を込められる力 - 読解力・脚本理解力
台本に書かれていない背景やキャラの気持ちまでしっかりとイメージできる力
もちろん、やる気や継続力、そしてなにより「声や表現が好き!」という気持ちも大切です。
声優は体力も使う仕事。
モチベーションを保ちながら練習を続けられるかどうかも重要になってきます。
また、成功する人の共通点として、以下のようなことが挙げられます。
- 日常の会話や動作からも演技のヒントを得ようとする好奇心
- 失敗や恥ずかしさよりも「もっと上達したい」という気持ちを優先できるメンタル
- 地道なトレーニングや研究を続ける根気
独学でもできる?家でできる練習の重要性
声優養成所や専門学校に通うことは、プロの指導が受けられるメリットがあります。
でも、そこで得られるレッスン以外にも、自宅での自主練習が大きな差を生むのも事実です。
プロの現場に出て感じることは、「毎日、声や演技に触れている人ほど伸びが早い」という点。
僕の尊敬していたナレーターの先輩は、休みの日に新聞の折り込みチラシなどを端から端までいろんな読み方で一日中声に出して読んでいるような人でしたが、その成果なのか、とても幅広い表現力のある人でした。
家にいながらできることをどれだけやってきたかで、初対面のスタッフや演出家への印象が変わることもあります。
次は、実際に家で取り組める練習法を5つに絞ってご紹介します。
どれも今日から始められる方法なので、気になるものを実践してみてください。
声優になるために家でできる練習法5選

ここからは、声優を目指すみなさんにぜひ試してほしい5つの練習法を紹介します。
僕が数々の失敗と試行錯誤をくり返してようやく実感した効果的な方法なので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 発声と滑舌を鍛えるトレーニング
声優にとって最も基本となるのが、発声と滑舌です。
家でもできるトレーニングの例を挙げてみます。
- 腹式呼吸の練習
お腹に手を当てながら大きく息を吸って、ゆっくり吐き出す呼吸法を練習します。
最初は、仰向けに寝て、両膝を軽く曲げてお腹の動きを感じながら深呼吸を繰り返すと実感しやすいです。
息を吐くときに、ゆっくり「スー」と声を出すなど、呼吸のコントロールを意識してください。
腹式呼吸ができると声が安定し、長時間セリフを話しても疲れにくくなります。 - 口のストレッチ
唇や舌をほぐすことで、よりハッキリとした発声ができます。
あいうえおを大きく口を開けて言ったり、唇をブルブル震わせたりすると、いいウォーミングアップになります。 - 50音の滑舌練習
「あいうえお、かきくけこ…」と声に出し、1文字ずつしっかり発音します。
唇や舌をしっかり動かすイメージを持つと明瞭な発音につながります。 - 早口言葉
ど定番かもしれませんが、やっぱり効果抜群。
例:「生麦生米生卵」「赤巻紙青巻紙黄巻紙」
最初はゆっくり正確に、そのあと徐々にスピードを上げていきます。
慣れたらいろんなバリエーションの早口言葉に挑戦しましょう。
注意点としては、無理に大声を出すよりも、一定の音量で明瞭さをキープすることが大切。
のどを痛めないように、無理のない範囲で毎日継続してみましょう。
2. セリフを読む練習をして表現力を磨く
発声練習では声の出し方は身につきますが、感情表現や演技力はまた別物です。
そこでおすすめなのが、セリフを読む練習。
セリフを自分なりに声に出して読む練習は、想像以上に役立ちます。
- 好きなアニメやドラマのセリフを書き起こしてみる
- 原稿用紙や台本形式にまとめて読みやすくする
その上で、以下を意識しましょう。
- 感情の起伏を捉える
どの部分でキャラクターが喜び、どこで悩んでいるのか - 間(ま)の取り方
セリフの途中でわざと息をつく、または一瞬無音にするなど、表現にメリハリをつける
家族や友人に協力してもらい、お互いに読み合わせをしてみるのもおすすめです。
ニュース原稿などをネットで拾って、ニュースキャスターになりきって、原稿を読む練習なども効果的なので、ぜひやってみてください。
他にも、ある商品のCM風にキャッチコピーを読む練習も面白いですよ。
3. アニメやドラマを活用して実践練習
プロの声の使い方を学ぶには、実際の作品をしっかり視聴するのが一番。
- 好きなキャラクターのセリフを真似してみる
- 声のトーン、感情の乗せ方、語尾のニュアンスを細かく観察し、真似して出してみる
- ドラマのワンシーンをアテレコしてみる
- 映像を無音で流し、自分の声だけでセリフを当ててみると臨場感が高まります
アニメやドラマをただ楽しむだけでなく、録画して繰り返し再生しながら研究材料にするのがポイント。
自分の演技を客観的に聴くために、スマホで録音・録画してチェックすることも習慣づけましょう。
4. ボイスサンプルを作成して自己分析
声優事務所やオーディションで求められることが多いのが、ボイスサンプルです。
これは簡単に言うと、自分の声の名刺みたいなもの。
自分がどんな声を出せるのかをまとめたデモ音源ですね。
- 短い自己紹介
- 複数パターンのセリフ(ナレーション風、キャラクター風など)
これらを録音してみると、自分の声の特徴や弱点がよくわかります。
たとえば、思ったより声がこもって聞こえるとか、早口になってしまいがちなど。
日々録音したボイスサンプルを聴き比べて、改善点を見つけるのが自己分析の鍵です。
ボイスサンプルを作成すると、「自分はこういう声の幅があるんだな」と客観的にわかりますし、あとでプロの人に聴いてもらうときにも役立ちます。
5. 独学で学べるオンライン教材や本を活用
現代はインターネットを活用して学習しやすい環境が整っています。
本格的に勉強しようと思うとお金がかかりますが、無料や安価で学べるものもあるのでぜひ活用してみてください。
教材・ツール | 特徴 | 料金帯 |
---|---|---|
オンライン動画講座 | 実際の発声練習や演技指導を動画で学べる。短いお試しコースが無料のことも。 | 無料~数千円 |
声優関連の書籍 | 発声の基礎から演技理論まで解説されている。マンガ形式で読みやすいものも。 | 1,000円前後~ |
ボイスレコーダーアプリ | 自分の声を録音して聴く。雑音低減やエフェクトなど機能があると便利。 | 無料~数百円 |
このように、自宅にいながら手軽に声優の基礎を学べる手段はいくらでもあります。
今の時代は、Youtubeの無料動画でもいくらでも基礎的な教材なら探せるので、それらを何度もリピート再生しながら練習だけでも、かなり基礎が固まります。
ただし、自己流で行き詰まりを感じたら、プロのレッスンを受けるなど早めに修正することも重要。
オンライン教材を上手に活用しながら、日頃の実践練習に活かしていきましょう。
外郎売りの基礎練習の例
それを歌舞伎で演じると・・
こういった動画を見て練習するのも面白いですよね。
Youtubeで「外郎売り」や「北原白秋 五十音」「あめんぼの歌」「滑舌 早口言葉」などいろいろなキーワードで動画を探してみてください。
小学生・中学生でもできる!年齢別の声優練習法

小学生でもできる!声優になるための簡単な練習
小学生のうちはとにかく「声を出すこと」を楽しむのが大事だと思います。
難しい理論なんて意識しなくても、声優さんのモノマネをして遊ぶだけでも、充分に練習になります。
元気よく大声を出すだけでも、自然と腹式呼吸に近いことをやっている場合があります。
- 読み聞かせ練習
童話や国語の教科書、好きな絵本などを音読して、お父さんやお母さんに聴かせてみる。
ときどきビデオに録画してみると、自分の声の変化をチェックできます。 - アニメごっこ
友達と一緒にアニメのキャラクターになりきってセリフを言い合うのも楽しいです。
とにかく楽しみながら声を出すのがポイント。
声優になりたい中学生向けのおすすめ練習法
中学生になると、部活動や勉強との両立が課題になります。
限られた時間の中で効率的に練習するコツは、短時間でも内容を濃くすること。
- お風呂で台本読みをする
声が響きやすく、呼吸のトレーニングにもなる - スマホの音声録音を活用
1〜2分の短いセリフを録音し、すぐにフィードバック - 演劇部や放送部に入る
学校に演劇部や放送部があるなら、積極的に参加してみるのも手。
舞台でセリフを言う経験や、校内放送で原稿を読む経験が得られます。
学生のうちにやっておきたい!声優になるための勉強
学生のうちにやっておいて損はないのが「国語」と「コミュニケーション」の勉強。
セリフを読むためには語彙力が必要だし、キャラや設定を理解するためには読解力が重要です。
また、人前で話す機会を増やしてコミュニケーション能力を磨くことも、声優への近道だと感じています。
キャラクターを演じるって、実は「そのキャラと対話する」ような感覚なので、普段から自分がどんなふうに話しているか気にするだけで違ってきます。
声優になるために必要なこととは?

声優になるために必要な資格はある?
結論から言えば、声優になるために特別な資格は必要ありません。
でも、だからこそ実力勝負の世界です。
芸能事務所やプロダクションに所属するためにオーディションが行われていて、そこで合格するには声の技術や演技力、さらにやる気と表現力が求められます。
実績や経験がものをいう世界なので、オーディションに通ったり、事務所に所属したりするための実力をつけることが大事です。
声優になるにはどんな進路を選べばいい?
一般的な進路としては以下のような例があります。
- 高校卒業後、声優専門学校や養成所に進む
- 大学に通いながら演劇サークルやワークショップで経験を積む
- 劇団に所属して演技力を高めながら、声優オーディションを受ける
他にも、芸能事務所が主催する新人発掘オーディションに直接応募して、受かるケースもあります。
どの道を選んでも、最終的には事務所のオーディションなどで実力を評価してもらい、所属が決まるのが一般的な流れです。
いろんな道があるので、「絶対にこの進路じゃないとダメ」というわけではありません。
自分の生活スタイルや予算に合わせて選択肢を検討しましょう。
独学と専門学校、どちらがいいのか?
これは人によります。
- 独学のメリット
費用を抑えられ、時間や場所にとらわれず練習できる - 独学のデメリット
自己流で行き詰まる可能性があり、客観的な指摘を受けにくい
- 専門学校・養成所のメリット
プロの講師や同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる - 専門学校・養成所のデメリット
通うための費用や時間が必要
理想は独学+プロの指導のハイブリッドです。
ある程度自宅で基礎を固めながら、専門家のレッスンをポイントで受けるという形が、近年は増えてきています。
【まとめ】声優になるために家でできることから始めよう!

ここまで、声優になるために家でできる基礎的な練習法5つを紹介しました。
改めてポイントを振り返ると、声優にとって大事なのは「継続して声を出すこと」と「自分の声を客観視すること」です。
地道な努力の積み重ねが、いつか大きなステージへの道を切り拓きます。
好きな作品に関わりたい、キャラを生き生きと表現したいという熱い気持ちを抱いていれば、一歩ずつ前進できます。
- 基礎の発声・滑舌練習を毎日続ける
- セリフを研究して感情表現を意識する
- アニメやドラマを教材にして耳コピ&実践
- ボイスサンプルを作って自己分析
- オンライン教材や本でさらに学びを深める
小学生から中学生、さらには高校生や社会人まで、いつ始めても大丈夫。
年齢や環境の制限はあっても、やり方はいくらでもあります。
もし、熱い想いを持ちながらも何をすればいいかわからず、もやもやしている人がいたら、まずは家での自主練から始めてみてください。
自分に合った方法で、今日から一歩踏み出してみましょう。