養成所に入る前に、少しでも声の基礎を固めておきたい。
そう思いながらも、何から始めればいいのか分からず、YouTubeを見ては「これで合ってるのかな…」と不安になっていませんか?
もちろん、自宅でもプロに近づける練習法はあります。
ただし、やり方を間違えると喉を痛めたり、変な癖がついたりすることも。
この記事では、「自宅で安全に、確実に声を育てる方法」をお伝えします。
自宅でも声は変わる|まず押さえるボイトレの基本

自宅練習って、本当に意味あるの?と思っている人もいるかもしれません。
結論から言うと、正しい方法で継続すれば、確実に声は変わります。
なぜ自宅練習でも効果は出るのか
声は筋肉と呼吸のコントロールで成り立っています。
つまり、毎日少しずつでも「正しい使い方」を体に覚えさせていけば、スタジオに通わなくても基礎体力は確実についていくんです。
(※ただし、ちゃんとレッスンに通った方が確実で、スキルアップが早いことは間違いないです)
プロの現場でも、実はレッスン以外の「自主トレ」が9割を占めています。
週1回のレッスンだけで上達する人はまずいません。
逆に言えば、自宅での日々の積み重ねこそが実力の土台になるということ。
僕自身、養成所時代は電車の中でもどこでも腹式呼吸を意識し、家では毎朝10分の発声練習からスタートしてました。
講師時代に教えた生徒の中でも、伸びる子はみんな「家でどれだけやったか」で差がついていました。
声が通らない・こもる原因
「声が小さい」「こもって聞こえる」という悩みは、多くの場合、次の3つが原因です。
1. 姿勢が悪い
猫背や顎が前に出た姿勢だと、気道が狭くなり、声が通りにくくなります。
スマホを見る時の姿勢、そのままセリフを言っていませんか?
2. 呼吸が浅い
緊張すると胸だけで呼吸してしまい、声に芯が入りません。
「息が続かない」「語尾が弱い」という人は、呼吸の浅さが原因のことが多いです。
3. 喉に力が入っている
「大きい声を出そう」と力むと、かえって喉が締まって声がこもります。
喉は「通り道」であって、声を作る場所ではないんです。
この3つを改善するだけで、驚くほど声の響きが変わります。
避けるべき独学の落とし穴
自宅練習で一番怖いのが「間違った方法を繰り返してしまうこと」です。
僕が講師をしていた頃、こんな生徒がいました。
YouTubeで見た高音練習を毎日やっていたそうですが、やり方が間違っていたせいで喉を痛め、1ヶ月も声が出せなくなってしまったんです。
本人は「頑張っていた」つもりだったのに、完全に逆効果。
特に注意すべきなのが以下の3点です。
- 無理に大きな声や高い声を出す:
喉を傷める原因No.1です - 録音してチェックしない:
自分の声は骨伝導で聞こえるため、実際とは違います - 毎日同じメニューだけ繰り返す:
偏った練習は癖につながります
「できてるつもり」が一番危ない。
だからこそ、正しい手順と確認方法を知っておく必要があります。
今日からできる|自宅ボイトレのやり方と練習メニュー

ここからが本題です。
理屈は分かった。
じゃあ、具体的に何をすればいいのか。
ここからは実践メニューをお伝えします。
姿勢と呼吸(腹式呼吸)の整え方
まず最初にやるべきは「姿勢」と「呼吸」です。
声の8割は姿勢と呼吸で決まります。
発声テクニックより先に、これを体に叩き込んでください。
これができていないと、どんな練習も効果半減です。
【ステップ1】正しい姿勢を”体に記憶させる”
壁チェック法(所要時間:1分)
- 壁に背中をぴったりつけて立つ
- 後頭部・肩甲骨・お尻・かかとの4点が壁に触れるように調整
- 腰と壁の間に手のひら1枚分の隙間を作る(反らしすぎ注意)
- 顎を軽く引く(目線は正面、天井を見ない)
- この姿勢で30秒キープ→壁から離れても同じ感覚を保つ
できているサイン:
首と肩がリラックスしていて、頭が体の真上に乗っている感覚
よくある間違い:
胸を張りすぎて腰が反っている→呼吸が浅くなる原因
顎が上がっている→喉が締まる原因
プロの現場では:
オーディションでも収録でも、まず審査されるのは「立ち姿」です。
姿勢が悪いと、声を出す前から「基礎ができてない人」と判断される場合もあります。
この姿勢が「声の出やすい体勢」です。
最初は違和感があるかもしれませんが、これが本来のニュートラルポジション。
【ステップ2】腹式呼吸を”確実に”身につける
「お腹を膨らませて〜」という説明、実は分かりにくかったりしますよね。
ここで「絶対に失敗しない方法」をお伝えします。
仰向け練習法(所要時間:3分)
- 仰向けに寝る(布団やヨガマットの上)
- 軽く膝を立てる(腰が楽になる)
- お腹の上に本を1冊置く(文庫本サイズでOK)
- 鼻から4秒かけて息を吸う→本が上に持ち上がる
- 2秒息を止める
- 口から8秒かけて細く息を吐く→本が下がる
- これを5回繰り返す
できているサイン:
本がしっかり上下に動き、胸はほとんど動いていない
できていないサイン:
本が動かない→胸だけで呼吸している(胸式呼吸)
肩が上下する→力が入りすぎ
なぜ仰向けなのか:
人間は仰向けになると自然に腹式呼吸になります。
重力に逆らわないので、体が「正解の動き」を勝手に教えてくれるんです。
コツ:
「お腹を膨らませよう」と意識しすぎない。
むしろ「息を吸ったら勝手にお腹が膨らんじゃった」くらいの脱力感が正解です。
立った状態での練習(所要時間:2分)
仰向けで感覚を掴んだら、次は立って同じ動きを再現します。
- 先ほどの正しい姿勢で立つ
- 手をお腹に当てる(おへその下5cmあたり)
- 鼻から4秒吸う→手が前に押し出される感覚
- 2秒止める
- 口から8秒吐く→手が内側に戻る
- 5回繰り返す
喉を傷めない発声のコツ
呼吸ができたら、いよいよ声を出します。
ただし、いきなり「あー!」と声を出すのは絶対NG。
喉を温めてからです。
ここでのポイントは「喉の力を抜くこと」。
【ステップ3】リップロールで喉をほぐす
唇を軽く閉じて、息を吐きながら「ブルブルブル…」と唇を震わせます。
やり方(所要時間:1分)
- 唇を軽く閉じる(力を入れない)
- 唇の間から息を出して「ブルルルル…」と震わせる
- 最初は短く3秒×3回
- 慣れたら10秒×2回
- できるようになったら、音程を上下させながらやる(ドレミファソファミレド)
できているサイン:
唇が連続して細かく震え、喉に力が入っていない感覚
できない時の対処法:
唇が震えない→息の量が足りないか、唇に力が入りすぎ。
もっと脱力しましょう。
すぐ止まる→腹式呼吸ができていない。息が続かない証拠
なぜこれが重要か:
リップロールは喉に一切負担をかけずに、声帯周りの筋肉をほぐせる唯一の方法です。
プロは収録前や舞台本番前、楽屋で必ずこれをやっています。
これがリップロール。
馬の鼻息みたいな音ですね。
僕も現役の頃、必ず楽屋でリップロール5分はやってました。
喉に力が入っていると唇が震えないので、リラックスの目安にもなります。
【ステップ4】ハミングで響きの感覚を掴む
次に、口を閉じて「んーーー」と声を出します。
この時、鼻や額のあたりに振動を感じられればOK。
喉だけで声を出していると、この振動は感じません。
やり方(所要時間:2分)
- 口を軽く閉じる(歯は少し開ける)
- 鼻から息を吸って、吐きながら「んーーー」と声を出す
- 音程は自分の一番楽な高さでOK
- 10秒×3回
- 慣れたら「んーあー」と口を開く練習(開いても響きを保つ)
できているサイン:
・鼻の付け根や額のあたりに「ビリビリ」とした振動を感じる
・喉は全く疲れない
できていないサイン:
・振動を感じない→喉だけで声を出している
・喉が疲れる、痛い→力が入りすぎ。即中断して
プロとの違いはここ:
初心者は「喉で声を作ろう」とします。
プロは「響きを集める場所をコントロールする」という発想です。
この感覚の差が、声の質を決めます。
口を開けても響きが変わらないように意識すると、安定した発声が身につきます。
滑舌を良くする口・舌トレ
「滑舌が悪い」と悩む人は多いですが、実は舌や口周りの筋肉が弱いだけのことがほとんどです。
毎日鍛えれば、2週間で明らかに変わります。
【ステップ5】舌の可動域を広げる筋トレ
基本トレーニング(所要時間:2分)
①舌出し運動(10回)
- 舌を前に思い切り出す→5秒キープ→戻す
- ポイント:「もう無理」というところまで出し切る
②舌回し運動(左右各10回)
- 舌で唇の外側をなぞるように大きく回す
- 右回り10回→左回り10回
- ポイント:スピードより「大きく・ゆっくり・丁寧に」
③舌上げ運動(10回)
- 舌を上顎に押し付ける→5秒キープ→脱力
- ポイント:上の前歯の裏あたりを強く押す感覚
できているサイン:
終わった後、舌がじんわり疲れている(筋肉痛になることも)
プロの現場では:
声優さんは収録の合間、カメラに映らない場所でこれをやっています。
舞台俳優も、袖で待機中は舌トレしてる人が多い。
これを毎日やるだけで、1週間もすれば舌の動きが軽くなるのを実感できます。
【ステップ6】早口言葉は”超スロー”で正確に
ここ、99%の人が間違えています。
早口言葉は「早く言う練習」ではありません。
初心者の正しい練習法は、まずは「ゆっくり、一音一音を正確に発音する」こと。
早さは後からついてきます。
焦って練習すると、雑な発音が癖になってしまいます。
正しい練習法(所要時間:3分)
使う早口言葉:
- 「生麦生米生卵」
- 「赤巻紙青巻紙黄巻紙」
- 「東京特許許可局」
手順:
- まず普通の速さで3回言う(正確に発音できるか確認)
- 次に”わざとゆっくり”2倍の時間をかけて3回言う
- 一音一音、舌の位置を意識しながら
- 正確に言えたら、少しだけスピードアップ
- 間違えたら即スローに戻す
絶対NGな練習法:
- いきなり早く言おうとする→雑な発音が癖になる
- 噛んでも続ける→間違った舌の動きが定着する
- 毎日同じ早口言葉だけ→偏った筋肉しか鍛えられない
プロの感覚:
養成所で言われたのは「ゆっくり正確に100回言えるなら、早くても絶対噛まない」でした。
実際その通りで、舞台本番で早口の台詞があっても、普段の練習でゆっくり丁寧にやっていれば、本番で噛むことはほぼなかったです。
高音を出しやすくする練習
「高い声が出ない」という相談、講師時代に山ほど受けました。
でも9割は「出ないんじゃなくて、出し方を知らないだけ」でした。
高音は無理に出そうとすると喉を痛めます。
大事なのは「力まずに響かせる」感覚です。
【ステップ7】裏声から地声への橋渡し
いきなり地声で高音を出そうとせず、まずは裏声(ファルセット)で慣れましょう。
段階的トレーニング(所要時間:3分)
フェーズ1:裏声に慣れる(1分)
- 「ほー」と息を吐くように裏声を出す
- 音程は気にしない、とにかく軽く高めの声
- 10秒×3回
- 喉は全く力まない、息に声を乗せる感覚
フェーズ2:地声と裏声を繋げる(2分)
- 低めの「あー」(地声)から始める
- そのまま音程を上げていき、自然に裏声に切り替わるポイントを探す
- 切り替わるポイント(換声点)で止まらず、滑らかに移行する練習
- 「あーーー↑ーーー」と音程を上下させる×5回
できているサイン:
地声から裏声への移行が滑らか。
境目が分からないくらい
よくある間違い:
・裏声になる瞬間に喉に力を入れる→「ひっくり返った」感じになる
・無理に地声のまま高音を出そうとする→喉を痛める原因No.1
プロの秘密:
実は、一流のプロは地声と裏声の中間の声(ミックスボイス)を使いこなせる人がほとんど。
でも最初からこれを狙うと混乱するので、まずは「地声と裏声を自由に行き来できる」ことを目標にしてください。
最初から地声だけで頑張ろうとせず、裏声の感覚も育てておくと、後々すごく楽になります。
【ステップ8】喉を開く感覚を体で覚える
あくびをする時の喉の開き方、あれが理想の状態です。
「ほわーん」とあくびをしながら声を出してみてください。
喉が開いて、声が楽に響くのが分かるはずです。
この感覚を覚えておくと、高音も出しやすくなります。
あくび発声法(所要時間:1分)
- 大きくあくびをする→喉の奥が開く感覚を確認
- そのまま「ほわーーん」と声を出す
- 喉が開いたまま「あーーー」に切り替える
- この「喉が開いた感覚」を覚える
- 3回繰り返す
この感覚が掴めると:
- 高音が楽に出る
- 声量が自然に増える
- 長時間話しても喉が疲れない
僕が喉の手術をする前、高音のセリフが多い舞台に出た時、だんだん声が出にくくなっていたんですけど、この「喉を開く感覚」だけで乗り切りました。
そのくらい効果があります。
力で出そうとすると、公演中に確実に声が枯れますから。
1日10分の練習ルーティン例
「毎日続けたいけど、何から始めればいいか分からない」という人のために、僕がおすすめする10分メニューをご紹介します。
ここまでの全ステップを、実際にどう組み合わせるか。
時系列で完全再現します。
パターンA:朝の10分ルーティン(声を起こす)
0:00-0:30 姿勢チェック(壁で確認)
0:30-3:00 腹式呼吸(仰向け5回→立って5回)
3:00-4:00 リップロール(音程つけて)
4:00-6:00 ハミング→「んーあー」
6:00-8:00 舌トレ3種
8:00-9:30 早口言葉(超スロー)
9:30-10:00 「あいうえお」を録音してチェック
朝イチはこれだけでOK。
無理に大きい声を出す必要なし。
体と声を「起こす」のが目的です。
パターンB:夜の10分ルーティン(技術を磨く)
0:00-1:00 リップロールでほぐす
1:00-3:00 ハミング→発声練習
3:00-6:00 早口言葉(ゆっくり正確に)
6:00-9:00 裏声↔地声の切り替え練習
9:00-10:00 今日の練習を録音→昨日と比較
夜は技術練習に集中。
ただし、疲れている日は無理しない。
リップロールとハミングだけでも十分です。
パターンC:オーディション1週間前の集中ルーティン(15分)
朝のルーティン10分 + 以下を追加
+0:00-2:00 自己PR文を録音(滑舌チェック)
+2:00-5:00 台本読み(声の表情づけ)
これらのメニューなら、朝起きた後や寝る前のスキマ時間でできます。
「完璧にやろう」と思わなくていいんです。
8割の出来でも、毎日続ける方が100倍大事。
僕が養成所に通っていた頃、講師に言われた言葉があります。
「才能のある奴より、毎日やる奴が残る」。
本当にその通りでした。
録音・セルフチェックで成長を可視化する
自主練習で一番やってほしいのが「録音」です。
練習の最後、必ず30秒だけ録音してください。
これをやるかやらないかで、成長速度が3倍変わります。
録音すべき3つのパターン
- ①毎日録音:「あいうえお」5回
→発声の安定度、響きの変化をチェック - ②週1録音:早口言葉3種類
→滑舌の上達度をチェック - ③月1録音:自己紹介文(30秒)
→総合的な声の印象をチェック
高い機材は必要ありません。
スマホの標準ボイスメモアプリで大丈夫です。
セルフチェックの3つのポイント
- ❶ 声が響いているか
→こもっていないか、鼻声になっていないか - ❷ 滑舌は明瞭か
→語尾まではっきり聞こえるか - ❸ 息は続いているか
→文の最後で息切れしていないか
プロの習慣:
僕は毎朝、昨日の録音を聞いてから練習を始めていました。
「今日はここを直そう」という目標が明確になるので、無駄のない練習ができました。
正直、最初は自分の声を聞くのが恥ずかしいし、がっかりするかもしれません。
「え、こんな声なの…?」って。
僕も最初はそうでした。
でも、それが「本当のスタート地点」なんです。
現実を知らないと、改善のしようがありません。
プロは全員、この恥ずかしさを乗り越えてきています。
完璧である必要はありません。
「先週より少しマシかも」という小さな成長を見つけることが、継続のモチベーションになります。
続けられる環境づくりと習慣化のコツ

正しい方法を知っても、続かなければ意味がありません。
ここからは「いかに習慣にするか」の話です。
自宅でもできる防音対策
「家だと声が出しにくい…」という悩み、すごく分かります。
僕も賃貸アパートに住んでいた時期は苦労しました。
✅ 時間帯を選ぶ
平日の昼間(10時〜17時)なら、ある程度の声量は許容されることが多いです。
逆に早朝や夜間は、どんなに防音しても避けた方が無難。
「仕事で昼間は無理」という人は、小声での練習でも十分効果はあります。
腹式呼吸や滑舌練習は、大声を出さなくてもできますから。
✅ クローゼットや車の中も選択肢
クローゼットの中って意外と音が吸収されます。服が防音材代わりになるんです。
僕の知り合いの声優は、デビュー前は車の中で練習していたそうです。
完璧な環境を求めすぎると、何もできなくなります。
「今できる範囲で工夫する」という姿勢が、プロを目指す上でも大事な資質です。
最低限あると便利なグッズ
基本的には体一つあればボイトレはできます。
ただ、あると便利なものを3つだけ紹介します。
1. 姿見の鏡(1000円〜)
姿勢チェックに必須。
全身が映るものがベストです。
スマホのインカメラでも代用できますが、練習中は両手を自由にしておきたいので、鏡の方が便利。
2. メトロノームアプリ(無料)
リズム感を鍛えるのに使います。
一定のテンポで早口言葉を言う練習をすると、台詞のリズムが安定します。
3. 録音用のスマホスタンド(500円〜)
録音時に毎回手で持つのは面倒です。
固定できるスタンドがあると、口との距離を一定に保てるので、正確な比較ができます。
全部買っても2000円程度。
養成所の入所金に比べたら、誤差みたいなものですよね。笑
効果が出るまでの期間と継続ポイント
「どれくらいで効果が出ますか?」という質問、よく受けます。
✅ 1週間で実感、3ヶ月で定着
僕の経験上、正しい方法で毎日続ければ、1週間で「あれ、ちょっと変わったかも」という実感が得られます。(※もちろん個人差はあります)
呼吸が楽になったり、声が出しやすくなったり。
でもね、不自然なもので、途中「全く成長を感じられない」とか「先週より調子悪くなってる?」と感じるような時期が必ずあります。
でも、その次の週には「あれ?プロ?めっちゃ調子いいんだけど?」と感じる瞬間に出会えたりするんです。
ただし、それが「自分の普通」として定着するには、3ヶ月は必要です。
筋肉の記憶には時間がかかるんです。
逆に言えば、3ヶ月頑張れば「戻らない基礎」が身につきます。
養成所や事務所に入る前に、この3ヶ月をクリアしておけると、かなり有利です。
✅ 完璧主義を捨てる
「今日は疲れてるから10分もできない…」という日もあります。
そういう時は3分でもいい。
呼吸だけでもいい。
ゼロと1は天と地ほどの差があります。
5分しかできなかった日も「今日もやった」とカウントしてください。
僕も講師時代、生徒によく言っていました。
「休む日があってもいい。でも2日連続で休むのはNG」と。
習慣は連続性で作られます。
モチベーションを保つ方法
正直、一人で練習を続けるのは孤独です。
「これで合ってるのかな」
「意味あるのかな」
と不安になる日もあります。
✅ 目標を細かく設定する
目標が「プロになる」だけだと遠すぎます。
「今月中に腹式呼吸をマスターする」
「来月のオーディションまでに滑舌を改善する」
など、1ヶ月単位の目標を立てましょう。
小さな達成感の積み重ねが、大きなモチベーションになります。
✅ SNSやコミュニティを活用する
同じ目標を持つ仲間とつながると、サボりにくくなります。
Twitterで「#ボイトレ日記」とつぶやくだけでも、続けるきっかけになります。
ただし、他人と比べすぎないこと。
成長スピードは人それぞれです。
去年の自分と比べて、少しでも前進していればOKです。
✅ プロの音声作品を研究する
好きな俳優や声優の演技を聞いて「こうなりたい」というイメージを持ち続けることも大事です。
僕は落ち込んだ時、尊敬する先輩の舞台映像を見て「まだまだ頑張ろう」と思い直していました。
憧れは、一番のガソリンです。
まとめ|自宅ボイトレを習慣にできれば声は確実に変わる

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
自宅でのボイトレは、正しい方法で継続すれば、必ず効果が出ます。
養成所に入る前の準備としても、入った後の自主練としても、一生使えるスキルです。
ただ一つ、最後に正直にお伝えしたいことがあります。
本気でプロを目指すなら、専門の先生に教わるのが最短ルート
自宅練習で基礎は作れます。
でも「プロのレベル」に到達するには、やはりプロの指導が必要です。
間違った癖がつく前に、正しい方向へ導いてもらえる。
これは独学では得られない価値です。
僕自身、養成所やナレータースクールで学んだからこそ、30年近く現場に立ち続けることができました。
今もし喉の手術がなければ、まだ現役でした。
自宅練習は「準備」であり「土台作り」です。
その土台がしっかりしていれば、レッスンに通い始めた時の吸収スピードが段違いになります。
まずは今日から、1日10分。
騙されたと思って1週間続けてみてください。
録音を聞き返した時、「あれ、ちょっと違うかも」と感じる瞬間が必ず来ます。
その小さな変化こそが、プロへの第一歩です。
あなたの夢を、心から応援しています。

